ガールズバンドの歴史とアイドルとの関係性

1976年、ガールズバンドの元祖と言われる『ザ・ランナウェイズ』(ヒット曲:チェリー・ボンブ)がアメリカでデビューするのですが、本国ではあまり受け入れられず、なぜか日本で流行し1977年に初来日を果たします。
その後、海外では『バングルス』(ヒット曲:胸いっぱいの愛)や『ゴーゴーズ』などといったガールズバンドが誕生し、カールズバンドの創世記を支えます。
日本では、ザ・ランウェイズに触発される形で『ガールズ』というガールズバンドが1977年にデビューしましたが、当時はまだ『バンド=男性』というイメージがあったのか、メディアでもどう扱っていいのか分からず、アイドルグループのような扱いを受けることもありました。
『ザ・ランナウェイズ』も『ガールズ』も1979年に解散と、いずれも短命に終わったことから考えても、当時は女性だけのバンドが広く認められる存在ではなかったようです。

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そんな中で注目されたのが、男女混成バンドです。
1978年にデビューした『シーナ&ザ・ロケット』が、1979年12月に『ユー・メイ・ドリーム』をヒットさせ、1980年6月にはガールズのギターだったイリア(奥野敦子)をボーカルに迎えた『ジューシィ・フルーツ』が『ジェニーはご機嫌ななめ』をヒットさせます。(同時期に『キッスは目にして』をヒットさせた『ザ・ヴィーナス』は、オールディーズ系のバンドだったので少し毛色が違う)
しかし、当時の日本ではまだまだバンドで楽器(ギター、ベース、ドラム)演奏するのは男性が行うものというイメージがあったのか、上記した2組のバンドはいずれも女性ボーカル以外は全員男性という構成でした。
同じような現象はロックの本場アメリカでも起きており、1976年にデビューした女性がボーカルを務めるバンド『ブロンディ』(ヒット曲:ハート・オブ・グラス、コール・ミー、夢見るNo.1)が大きな成功を果たしています。

このように浸透するに多少時間がかかったものの、日本では1980年代以降、徐々に女性のバンド活動認められるようになってきます。
1982年にヤマハ主催のバンドコンテストのレディース部門で最優秀グランプリを獲得した『SHOW-YA』が1985年にデビュー、1983年にTDKレコード主催の楽器ごとのオーディションで集められた『赤坂小町(後のプリンセスプリンセス)』が1986年にデビューし、それぞれ1980年代終盤に『限界LOVERS』(SHOW-YA)、『Diamonds』(プリンセスプリンセス)、『世界でいちばん熱い夏』(プリンセスプリンセス)などに曲をヒットさせます。
特にプリンセスプリンセスは、上記の2曲で1989年にシングル年間売り上げ1位・2位を獲得し、ガールズバンドブームを巻き起すきっかけとなりました。(『Diamonds』はミリオンセールスを達成)
このような影響から、1989年12月には『GO-BANG’S』の『あいにきて I・NEED・YOU!』が、1990年7月には『PINK SAPPHIRE』の『P.S. I LOVE YOU 』がヒットします。
男女混成バンドのほうも、『レベッカ』(ヒット曲:フレンズ、RASPBERRY DREAM)を筆頭に、Wボーカルの『BARBEE BOYS』(ヒット曲:女ぎつねon the Run、目を閉じておいでよ)『PERSONZ』(ヒット曲:DEAR FRIENDS)、『JITTERIN’JINN』(ヒット曲:プレゼント、にちようび、夏祭り)などが1980年代中盤以降に次々とデビューしています。

こういったバンド活動に女性アイドルも多少絡んでくるのです。
菊池桃子がボーカルを務めた『ラ・ムー』(男女混成バンド)が1988年2月に、本田美奈子がボーカルを務めた『MINAKO with WILD CATS』(ガールズバンド)が1988年8月にそれぞれデビューします。
しかし、どちらのバンドもヒットしたとは言えませんでした。
そもそも女性アイドルがボーカルを務めるバンドは、『ソロの歌手+バックバンド』という構成との違いがよく分からず、観ている人にとってはバンドを組んでいる意味が理解できなかったのです。(アイドル時代と曲調に違いはあったが)
結局、『ラ・ムー』も『MINAKO with WILD CATS』も1989年に解散と、非常に短い期間で活動は終了となりました。

バンドとしてヒットしたアイドルと言えば、渡瀬麻紀(渡瀬マキ)です。
渡瀬麻紀は1989年にデビューした男女混成バンド『LINDBERG』のボーカルを務め、1990年に『今すぐ Kiss Me』、1991年に『BELIEVE IN LOVE』などをリリースし大ヒットします。
ですが彼女の場合はアイドルとして全くブレイクしていないので、そもそも元アイドルであるという認識をもって見ていた人はほとんどいなかったでしょう。

以上が20世紀におけるアイドルと女性バンドの関係性で、その後も日本では『ZONE』や『Whiteberry』のようなアイドルとガールズバンドが融合したようなグループが次々と誕生し、それは現在までも続いています。

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