現在のテレビ番組は少子高齢化の影響で多数派となった中高年向けの番組がよく作られ、この中には昔のアイドルを扱った番組も含まれます。
若者のテレビ離れが叫ばれる昨今ですが、こういった番組を若者が目にする機会もあることでしょう。
しかし、こういった番組は間違った情報で溢れています!
ということで、昔のアイドルを扱った番組を観る上での注意するべき言葉をまとめてみました。
〇〇賞を総なめ
例
1983年の音楽祭新人賞を総なめにした岩井小百合
現実
実際、岩井小百合が獲得した最優秀新人賞相当の賞は、日本歌謡大賞優秀放送音楽新人賞、メガロポリス歌謡祭最優秀新人ダイヤモンド賞、新宿音楽祭金賞であり、総なめとまでいきません。
解説
新人賞と言われると、レコード大賞最優秀新人賞などに代表されるような1年に1人だけ(賞によっては2人)が選ばれる最高の賞と思いがちですが、その前段階であるノミネートの時点でも優秀賞(最優秀賞ではない)などの賞を受賞しているとするケースが多いため、このノミネート段階をもって受賞と考えていることが多いようです。
ちなみに、音楽賞レースが盛んだった1975年から1990年までで最優秀新人賞クラスの賞を総なめしたのは、1981年の近藤真彦、1984年の岡田有希子、1986年の少年隊の3例しかなく、女性では岡田有希子が唯一となっています。
人気絶頂で〇〇
例
1996年に人気絶頂で解散したWink
現実
当たり前の話ですが解散する時点でのWinkは人気が落ちており、最後のシングル曲(Angel Love Story 〜秋色の天使〜)はオリコン62位が最高でした。
解説
女性アイドルにおいて『人気絶頂で〇〇』という言葉に該当する例は、
キャンディーズの解散
山口百恵の結婚
岡田有希子の死
宮沢りえのヌード写真集発売
ぐらいなもので、松田聖子の結婚ですら人気絶頂期より多少のズレがあります。
〇〇で一世を風靡
例
姫カットで一斉を風靡した麻丘めぐみ
現実
デビュー当時の麻丘めぐみは人気がありましたが、一世を風靡したとまでは言えないと思います。
解説
20世紀の女性アイドルで一世を風靡したと言えるのは、
天地真理
ピンク・レディー
松田聖子
薬師丸ひろ子
中森明菜
おニャン子クラブ
宮沢りえ
広末涼子
モーニング娘。
ぐらいなものかと思います。(安室奈美恵や浜崎あゆみはアイドル脱却後に人気を得ている)
〇〇で一躍トップアイドルへ
例
『スケバン刑事III』に出演して一躍トップアイドルに仲間入りした大西結花と中村由真
現実
『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』に出演して一躍トップアイドルになったのは浅香唯のみで、大西結花と中村由真は知名度が上がったもののトップアイドルと言えるまでの人気は得ていません。
解説
曲のヒットやドラマの出演で一躍トップアイドルへと駆け上った例は多々あります。
そのためこの言葉は使いやすく、該当しているとは思えない人まで使用する例が見受けられます。
応募総数〇〇
例
応募総数12万人から選ばれた井森美幸
現実
井森美幸がグランプリを獲得した『第9回ホリプロスカウトキャラバン』の応募総数は112,358通であることが発表されています。
解説
一般社会で数字を扱う際に『四捨五入』する考え方がありますが、芸能界では『零捨一入』という常識外れの切り上げ方式がよく使われます。
井森美幸と同じホリプロスカウトキャラバン出身の山瀬まみも、およそ11万通だった応募総数にもかかわらず12万人から選ばれたなどと紹介されることがあります。
出演するゲストを持ち上げるがあまり現実からかけ離れた表現になっているのでしょうが、当時の状況を知るものとしては違和感を感じざるを得ないのです。
逆に当時を知らない人は、言葉通りに受け取ってしまうのではないかと不安になります。
ということで、この手の番組は話半分で聞くことをオススメします。(;^_^A
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