ブログをリニューアルした際、映画賞の受賞歴に『報知映画賞』と『ヨコハマ映画祭』の情報を加えたのですが、この時ふと気付いたことがあります。
音楽賞は1988年に昭和天皇の容態悪化を理由に多くの賞が開催中止となりましたが、映画賞は全くと言っていいほど中止になっていないのです。
これは、開催時期が年末中心の音楽賞と年度末開催が中心の映画賞による理由が大きいと考えられます。
昭和天皇が亡くなったのが1月7日なので、年末はとても容態が悪く賑やかな音楽賞の開催がはばかられたのです。
ただ、理由はそれだけではないと思います。
映画賞は、新型コロナウイルスの流行で授賞式が中止になっても受賞者は決めています。
しかし、1988年の音楽賞は賞そのものが中止になっているのです。
音楽賞の主体が賞を与えることにあるのなら、賑やかな授賞式を中止するにしても受賞者だけは決めるべきだったのではないでしょうか?
それをしなかったということは、授賞式の中継がなければ音楽賞はやる意味がなかったと捉えられます。
つまり音楽賞の開催理由は、賞を与えることではなく1つの番組放送としての側面が強いと考えられるわけです。
実際にかつて多数あった音楽賞の主催者は、ほとんどがテレビ局とラジオ局でした。
テレビ番組には演出が付き物です。
音楽賞の主体がテレビ番組であったと言うのなら、音楽症における受賞者に対しても一種の演出があったと考えられます。
近年においても、日本レコード大賞の受賞に裏金が使われたと週刊誌に書かれたことがありますが、そういったことがかつての音楽賞でも起こっていたと想定されるわけです。(かつてのほうが盛んだったと思われる)
特に1980年代の新人賞は出来レースだった可能性が高くなっています。
以下で示す、1980年代の日本レコード大賞最優秀新人賞の受賞者をご覧ください。
1980年:田原俊彦
1981年:近藤真彦
1982年:シブがき隊
1983年:THE GOOD-BYE
1984年:岡田有希子
1985年:中山美穂
1986年:少年隊
1987年:立花理佐
1988年:男闘呼組
1989年:マルシア
※太字はジャニーズ事務所所属の男性アイドル
1980年代の日本レコード大賞最優秀新人賞は、10回中6回をジャニーズ事務所所属の男性アイドルが獲得しているわけですが、さすがにここまで異常な偏りは忖度がなければ起こらないと思います。
つい先日、イギリスの公共放送局であるBBCでジャニーズ事務所の創設者であるジャニー喜多川氏による児童への性的虐待が報じられ、今月末には日本語版も公開されるそうですが、そういった海外での報道にも大きな反応を見せない日本のマスコミがジャニーズ事務所に対して忖度していることは間違いないと言えるでしょう。
話は少しそれましたが、かつて多数あった音楽賞が純粋な音楽賞でなかったことは確実かと思います。
それを証拠に、日本の音楽賞は1990年代に入った途端不可解なほど一気に終わってしまいました。
純粋な賞だったら、同様の賞が同時多発的に終わるなんてことは通常起こりません。
音楽賞が同時多発的に終了した理由は、おそらく視聴率低下によるもので、視聴率によって終わるような賞は賞ではなく1番組に過ぎないわけです。
昨日行われた日本アカデミー賞を中心に日本には映画賞が多数ありますが、音楽賞のほうも放送局に頼らず多数できればいいのではないかと思って記事にしてみました。
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